しなのマイクロ・・・・・・、
1970年代初頭に鉄道模型メーカーとして現れ、その製品の企画の方向性が極めてマニアックな品物か多かった故、現在でも愛好者が少なくないブランドです。当初はパーツのみの製品供給から始まり、城山モデルとの共同企画による製品のSLパーツ等は当時特定ナンバーのカマを作る方にはこの上ない部品となりました。しかしその素材状態ゆえ購入してから使える部品になるまではチヨイト腕が必要な物でした。その後車両本体の製品も出されておりますが、その製品形態は、折り曲げの無いエッチング板の時代の製品から徐々に窓打ち抜き済み、となり、車体折り曲げ済み(ほんとにタダ曲げてあるだけ・・・)と、少しずつ進化をしていくのは面白いことです。模型誌による皆さんの記憶に残っている「しなのマイクロ」自社広告の出る4年前からの事です。
他からは出ていない・・・それが理由で作れないキットを承知で買い続けた罪作りなメーカー。ここではそんな「しなのマイクロ」を、模型ブランドでの名前の変換と共に製品の移り変わりを記録として辿ってみました。(残念ながら1970年以前の活動記録は判りませんでした)
半田鏝でボディーを組み上げる過程を余儀なくされる「バラキット」今では当たり前の製品、 キットの不良在庫(買ってしまったキットの量が多くて中々作れない)現象を生み出したのは、このメーカーだったのかな。・・・・・・・・??????? |
1971〜2年頃、東京都三鷹市(西久保)に しなのマイクロ「しなのマイクロ・モデル」発足?
「しなのマイクロ・モデル」としての製品、 車両のみ掲出(パーツは除外)
(基本的に窓抜き済みエッチング板)
※ 立川 城山模型(城山産業・模型部)とのジョイント企画製品は「城山模型」のブランドで発売
1971〜1972年
SL・EL 用 グレードアップ、パーツを多種製造
DF50 エッチング板 3000円
営団6000系 先頭車 1100円 (1500円)洋白板 販売→城山模型
営団6000系 中間車 1100円 (1500円)洋白板 販売→城山模型
ED10 1700円 窓抜き済みエッチング板キット 販売→城山模型
ED38 1900円 窓抜き済みエッチング板キット 販売→城山模型
ED93 1680円 窓抜き済みエッチング板キット
EF81 完成品19800円 DX 28500円 城山模型
キハ58・28 2200円 窓抜き済みエッチング板
キハ58・28(パノラミック)2200円 窓抜き済みエッチング板
キユ25 2200円 窓抜き済みエッチング板
キハ55 2200円 窓抜き済みエッチング板
キハ26 2200円 窓抜き済みエッチング板
キロ26 2100円 窓抜き済みエッチング板
キロハ25 2100円 窓抜き済みエッチング板
キハ23 2700円 窓抜き済みエッチング板 販売→城山模型
キハ65 2800円 窓抜き済みエッチング板 販売→城山模型
クモユ141 2200円 窓抜き済みエッチング板
クモニ83 2200円 窓抜き済みエッチング板 販売→城山模型
以後 城山模型 製品は「しなのマイクロ」とは別の路線での流れになるので
後書き別項にて記す。
1972年 称号が しなのマイクロモデル→ しなのマイクロ の名称に変わる。
(概製品の再生産分も「しなのマイクロ」 の名称に変わっている)ED42のマークを使用し始める
DD16 2500円 窓抜き済みエッチング板キット
(松本模型にて特製完成品が出ている)
オユ11 1800円 窓抜き済みエッチング板
ナハ10 1800円 窓抜き済みエッチング板
この辺りから折り曲げ済みエッチング板(キット)となり。
概発売のエッチング板製品も一部を除き、完成箱入りの折り曲げ済みのキット状態になる。
ED77-901 2850円 折り曲げ済みエッチング板(キット)
ED78 2750円
EF71 3500円
DF50 3650円
キハ58(パノラミック) 2900円
キハ28(パノラミック) 2900円
キユ25 2900円
キハ55 3300円
キロ26 3300円
キロハ25 3300円
キハ65 2900円
ナハ10 2250円
ナハフ10 2250円
ナロ10 2250円
ナハネフ12 2250円
オシ17 2250円
オユ10 2250円
オロ11 3000円
クモユ141 3000円
その他 初代しなのマイクロ時代に予告されていた製品に DD50、EF63、ED16、がある。
1973年 6月 会社を移転 東京都葛飾区柴又
会社の移転と共に、エッチング板主体の製品からプレス工法を交えた製品になり。
キットに鋳造メタルパーツ及びドロップパーツが加わる。
(市販書籍掲載内容によると この時点で模型製品の企画スタッフが変わるとの事)
{エッチング工法のみの 初代しなのマイクロ製品はここまでと思われる}
EF71 3800円 ボディバラキット
EF64 3800円 ボディバラキット
ED18 4800円 ボディバラキット
DD16 改良製品 2500円
オハネ12 3950円
オハネフ12 3950円
オハネフ13 3950円
スハネ16 3950円
オロハネ10 3950円
オロ11 3950円
オシ16 3950円
オユ11 3950円
1974年
初めてメーカーとしての広告が出る(鉄道模型趣味 1974、1月号 307)
広告と共にキットを量産体制が整う、
1974年以降の製品 キット=車体キットが中心(パーツ類・ストラクチャーは掲載除外)
ED78 全新規品 キット 4900円
EF71 全新規品 キット 5000円
EF64 全新規品 キット 4900円
キハ35-900 キット 4800円 台車付きキット5200円
キハ23 キット 4900円 台車付きキット5500円
キハ45 キット 4600円 台車付きキット5200円
1975年
キハ391 3両セット キット 13000円 400台 限定
クモニ13 4タイプ キット 4400円
ED75-700 車体キット 6500円 下回りキット 2200円
ED77 車体キット 6500円 下回りキット 1900円
EF64 3次 車体キット 6500円 下回りキット 1900円
クモハユ74 車体キット 4700円
クモヤ90-800 車体キット 4600円
クモヤ90 車体キット 4600円
クモヤ91 車体キット 4700円
クモハ73 原型 車体キット 4500円
モハ72 原型 車体キット 4200円
クハ79 原型 車体キット 4500円
サハ78 原型 車体キット 4200円
DF50 4タイプ キット 9500円 台車 3300円
キハ40(09) キット 4900円
キハ45(08) キット 4800円
キクハ45 キット 4800円
クモル23 キット 4700円
EF61 総合キット 14900円
EF81 総合キット 15400円
EF81-300 洋白 総合キット 18900円
EF64 1次 総合キット 14900円
1976年
(機関車は、上回り・下回り、別にしていたキットをトータルキットと称し総合キットになる)
キハ20 キット 4400円
キハ25 キット 4200円
キハ52 キット 4500円
キハユニ26 キット 4400円
C55 流線型 車体エッチング板キット(鉄道模型趣味、合同企画頒布品) 円
ED76-500 総合キット 18900円
EF62 一次型 総合キット 23000円 2モーターキット 24900円
EF62 二次型 総合キット 23000円 2モーターキット 24900円
オハネ12 全新規品 総合キット 4800円 完成品 7900円
オハネフ12 全新規品 総合キット 4800円 完成品 7900円
オハネフ13 全新規品 総合キット 4800円 完成品 7900円
スハ32 Wルーフ キット 4900円
スハフ32 Wルーフ キット 4900円
クモニ83(深夜根・低屋根 5種) 総合キット 5600円
EF60 4次 総合キット 23000円
EF65-500 2タイプ 総合キット 23000円
EF65-1000 総合キット 23000円
ED25-11 総合キット 13500円
ナハネ10 全新規品 総合キット 4800円 完成品 7900円
ナハネ11 全新規品 総合キット 4800円 完成品 7900円
ナハネフ11 全新規品 総合キット 4800円 完成品 7900円
スハネ16 全新規品 総合キット 4800円 完成品 7900円
スロ32 Wルーフ キット 4900円
スハニ31 Wルーフ キット 5100円
スシ37 Wルーフ キット 5100円
オシ16 全新規品 総合キット 5150円 完成品
オシ17 全新規品 総合キット 5150円 完成品
DD51 8タイプ 総合キット 23500円〜24700円
1977年
ED60 エレメンタリー キット 12800円
ED61 エレメンタリー キット 13800円
ED62 総合キット 15000円
EF81-2〜 総合キット 18000円
EF70 一次 総合キット 18000円
EF70 二次 総合キット 17000円
EF70 1000 総合キット 17500円
EF64 1次 完成品 30000円
EF64 3次 完成品 30000円
1977年5月 再び会社を移転 埼玉県三郷市高洲2-30 (ぷろじぇくと80に着手)
1977年6月(ぷろじぇくとはちまる)開始 企画1、私鉄車両のラインナップ
企画2. {ELの既製品から抜粋して13mm規格の製品を発売}
花巻電鉄 デハ1 9000円
相模鉄道 7000系
京成電鉄 3500系
銚子電鉄 デキ3
下津井電鉄 モハ102 クハ23
黒部峡谷鉄道 ED8〜10
EH10 試作 総合キット 24000円
EH10 5〜 総合キット 24000円
ED10 総合キット 19800円 完成品 32000円
西武E71 総合キット 21000円 完成品 32000円
ナロ10 全新規品 総合キット 円 完成品
オロ11 全新規品 総合キット 円 完成品 8900円
ED77 完成品 29800円
ED61 完成品 22000円
ED62 完成品 22000円
EF81-300 洋白 完成品 35000円
1978年 Nゲージ進出への広告がでる。
キハ55 キット 4800円 M付完成品 11000円
キハ26 キット 4800円 完成品 9000円
キロ25 キット 4800円 完成品 9000円
キロハ25 キット 4800円 完成品 9000円
キニ56 キット 4800円 完成品 9000円
1978年9月 HO 最後の製品広告
クモル23-50 完成品 14800円
クモニ13 完成品 12800円
クモル24・クル29 は製作中の予告で終る。
HOゲージ、事実上の生産終了
1978年10月〜 ED17を筆頭にNゲージ製品を続々と発表、生産開始
ED17 6500円 ED15 5500円
各変形機(車体キット)ED17-7 800円 ED15-3 950円 動力のみ3300円
1979年
ED21・ED27・長野電鉄ED5000(車体キット)900円 完成品5600円
ED42 標準・戦時、各5700円
営団5000系 相鉄7000系 国鉄103系 1000・1200番台
1979年8月 Nゲージにて「みどりや」とのジョイント企画品 私鉄車両を生産
東急8500系 小田急9000系
1980年1月 再び会社を移転 埼玉県三郷市高洲
1980年
営団6000系 7000系
阪急2800系 3000系 6300系
国鉄117系 クモヤ143 クモヤ90-100 クモユ141
1980年6月 Nゲージの製品ブランドを「Mycrox」マイクロクス、と変更
国鉄157系 (国鉄185系の製品もあるという)
1980年8月 多数のNゲージ製品を予告したまま、忽然と広告が途絶え8月発売の
総合カタログも発表されたか分からずに消息を絶つ。
広告が途絶えた後に、東武8000系が製品として発売
1981年
鉄道模型メーカー (有)しなのマイクロ としての終焉となる。
1982年以降
「マイクロエース」ブランド製品で、プラスチック製の製品が発売されているが
{EF71 ED78 EF64-1000 10系客車 等}
これは一度廃業になった「しなのマイクロ」が組織変更の後、新たに起立し、創業時からの技術であった金属エッチング手法をやめ、コストの低いプラスチック製品で生産を始めたのが、この、「旧マイクロエース」との事。但し「しなのマイクロ」からの系列を保っていたとはいえ、一度廃業になっている故、新しい会社と見るのが正しいのかもしれない。
しかしこの 「旧マイクロエース」も長くは続かず、自由形の機関車を発売後、終焉を迎えてしまう。
「しなのマイクロ」を会社の系列でと考えるならば、正確にはこの時点が正しい最後となる。
補足
現在のプラモデルメーカー「有井製作所」に属する「マイクロエース」はその後に立ち上がった全く異なる会社で、市販の専門誌、雑誌には「しなのマイクロ」と同一のメーカーが再起した会社、または、合併とあるが、「しなのマイクロ」の系列とは実質別メーカーになる。したがって、初期の「旧マイクロエース」と現在の「マイクロエース」とは企業の継承としての接点は無いが、世間では「しなのマイクロ」と、この現行のマイクロエースが合併吸収の末、恰も同じ会社と思われ 同一して考えられている様である。
{「マイクロエース」という商標においては「旧マイクロエース」解散後 今の「マイクロエース」に名称の転売が行われ、現在に至っているという説もありました}
因みに、「しなのマイクロ」でのHO時代の製品は、製作図面、製作資料、金属型、は一部が、奄美屋、等、他のメーカーに、継続されて改良の上、現在も一部が
製品化されている。
模型業界では、別会社同士での製品の資料、金型、の移動等は、現役の会社同士でも頻繁に行われている。これは製造販売会社の下請けメーカーの存在にも左右されるが、親会社が解散・または業務撤退しても下請け製造の会社が存続していた場合は親会社の資産を引き継ぐケースもあるので、見覚えのある製品が他社により復活することも珍しくない。廃業メーカーの資産が別の会社で生きながらえる事は、愛好者にとっては嬉しい事ではないであろうか、
例
HOゲージ Nゲージ
鉄道模型社 → 中村精密 シバサキ → キングスホビー
鉄道模型社 → HOWA ナカセイ → MODEMO
つぼみ堂 → カツミ しなのマイクロ →
しなのマイクロ → 奄美屋 トミー → 河合製作所
ナカセイ → MODEMO 永大 → 学研
ナカセイ → 有井製作所
宮沢模型 → カツミ
城山模型 (立川・城山産業・模型部)
1972年
東急8000系 先頭車 1200円 窓抜き済みエッチング板
東急8000系 中間車 1200円 窓抜き済みエッチング板
※1973年以降の製品ではエッチングの質が変わり それまで製造を担当した「しなのマイクロ」より製造元が変更されたと考えられる。別項で記したようにこの年「しなのマイクロ」
内でも、組織変更がされているようで、以降の城山製品は別の製造会社によるものと思われる。したがってこれ以降の製品は再生産の物を除き城山模型のオリジナルという事になる。尚、再生産の営団・東急の製品ではエッチング内の「しなのマイクロ・モデル」の名称部分がカットされていたと聞くが、未確認である。
また、これまでに販売されていた蒸気用をはじめとするグレードアップパーツ類も製造を
「しなのマイクロ」が担当した物と別の会社が担当した物が混在し、僅かにエッチングの質が異なる。「しなのマイクロ」が担当した物はラベルの最下欄に記載があるが、別の会社が担当した物はその部分がカットされている。1973年以降は記載がなくなる。
(しなのマイクロが関連していた時代より製品のお値段がぐっと安くなる????)
1974年
アメリカ型 客車 キット
ナロー客車セット キット 7000円
1975年1月
ED75−700 5000円 折り曲げ済みエッチング板キット(オデコ=ロスト)挽物パーツ
1975年8月 製品ブランドを「シロヤマ・モデル」に変更
クモヤ495+クモヤ494 エッチング板キット 2両組 6900円
EF71 ED78 DD13 EF81 の製作等を予告
1976年9月
再生産 営団6000系 先頭車 2300円 窓抜き済みエッチング板
中間車 2300円 窓抜き済みエッチング板
東急8000系 先頭車 2300円 窓抜き済みエッチング板
中間車 2300円 窓抜き済みエッチング板
ヨ8000 1800円 折り曲げ済みエッチング板キット
1977年1月 城山模型 狭山台店 開店
EF11 EF52 DE50 マヤ34 オヤ31 の製作等を予告
1978年7月 雑誌の広告が途絶え消息を絶つ
尚、城山模型を始めた親会社は移転改変をしているものの、本業である本来のレジャー
産業では現在も存続している様である。
1978年4月 つぼみ堂 廃業
1981年 宮沢模型 自社製品製造終了
そんな時代でした。・・・・・・・・
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